おいしいもののまわり

昨年、読んだ本の中で尊敬する料理研究家の土井善晴先生の

おいしいもののまわり」という本がまえがき部分がとても共感を感じています。

もちろん、本自体の内容も料理について、そしてものづくりに対しての

心意気が伝わります。


料理とは命をつくる仕事である。

ゆえに、料理はつくる人が主役でなければならない。

つくる人は、料理の背景にある大自然、その土地の風土に育まれた食材を生かし、

歴史的事件に影響されながらも、もっとも最善の調理法を見い出してきた。

土産土法をもって、民族の命を健全につないできたのだ。

加えて、食べる人を愛して、その人の健康を願って料理をする。

料理をつくる人は、自分の都合で料理をするのではない。

たとえ戦地であっても、子供の手を引いて、大切な鍋をかぶって

逃げるのだ。

どんな状況であっても、なにか食べさせなければならない。


料理をすることはすでに愛している。食べる人はすでに愛されている。

それを当たり前のことと信じて疑わない。そうして、

料理をつくる人が食文化を担っている。


自然の摂理に従えば、身体に良いものは、必ずおいしいもの。

おいしいものは、はかないものである。

音楽にたとえれば、ロックコンサートのように刺激の強い音ではない。

耳を澄ませなければ聞こえない。鳥のさえずりや川のせせらぎのような

穏やかなるもの。真のおいしさとは、舌先で味わうのではない。肉体が

感じる心地良さ、ひとつ一つの細胞が喜ぶものなのだ。


「おいしいもものまわり」より


よく仕事で時短やお手軽、簡単というテーマが多くありますが、

つくる側の都合になりすぎないようにということは考えてはいます。

そして、健康に良いものだから食べようということで、健康が先になるというのは、

出来るだけ行わないようにしています。

土井先生も書いているように、身体に良いものは、必ずおいしいものであり、

おいしいものを第一に考えて料理をしています。

それに担って健康につながるということが、食べてもらえることに繋がると考えているからです。


よくありがちなのが、健康を意識しすぎてあまり美味しくないものというものもあります。


そして、ファストフードに慣れている人と、普段そんなに食べない人では

「おいしい」の価値観も違っています。


ショクタクの料理は、やさしい味とおっしゃってくださいます。

一口目からガツンとする料理はほとんどなく、噛み締めるほどに味わい深いものになるように

出来るだけしています。


大切な人に料理をする時には、おいしいと一緒に、その人が足りていないものや

旬のものをたくさん使って、味わってもらって、毎日の命の糧にしてもらえるようにと

込められています。


仕事が忙しくて帰りが遅いなら、消化に良いように調理方法を変えてみる、

常に状況は変わってきます。


自分のために作る料理と大切な人のために作る料理では、根本的に違ってきます。

大切な人のために料理をつくることが幸せであり、

おいしく食べてくれる顔を見るのが好きです。

よく、つくるのは時間がかかって、食べるのは一瞬だなんて言いますが、

身体に食べ物が入って、身体をつくっていくということを考えると、

そこにはつくる以上の時間があり、もし小さい子供なら成長の姿がみれると

考えると、料理をつくるということに対しての思いは変わってくると思います。


おいしいとは「美味しい」と書きます。

美しく味わいがある。そこには色々な意味が込められていると思っています。


どんな人も食べて生きています。

どんなにお偉いさんも尊敬する人も、大切な人も、みんなが食べて生きています。


土井さんのように音楽に例えると、時には刺激的なエッセンスも欲しいけど、

普段は優しくも、寄り添うような音楽を聴いていたいというのがあります。


ジューダス・プリーストやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンなど激しいのも聴いても、

いつも普段聴いてしまうのは松本隆さんの歌詞の歌なんですみたいな、

行き着く場所は、優しく寄り添ってくれるようなところにいくような気がします。


私は松本隆さんのような歌詞の世界を料理で表現したいと想っています。

落ち込んだ時でも料理を食べてもらうと元気になって、苦しみもバネにしてより高く

飛び跳ねてくれるような料理を作りたいですね。


平成最後の年、平成後の現代の人に寄り添う衣食住が見出すことをしていきたいと日々考えていきたいですね。



関西の男性フードコーディネーター 久保崇裕 shoku;taku

関西を中心にshoku;taku(ショクタク)という名前でフードコーディネーターをしています。 料理イベント、レシピ開発、企業の料理を使ったワークショップ、料理教室など、 食にまつわる仕事を承っており、衣・食・住の日常生活(ハレとケ両方で)を豊かにすることを モットーに活動しています。

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